曖昧にするな

失恋を曖昧にしてはいけない。
好きになった事も、叶わなかった事も全部なかった事になんてならないから好きだと本人に言わずとも気が済むまで口に出して、仕舞わないといけない。諦めずとも、区切りをつけるならこっ酷く振られるべきだ。曖昧にして、時間だけが過ぎたら曖昧な気持ちと曖昧な過去だけが残って何時か後悔する。必ずだ。
しかしこうやって区切りをつけるべきなのは恋愛感情のみだと思う。友情なんて最初から不安定に広範囲にあると思われるそれらを必死に区切りをつけようとしなくてもいい。
好きな時に呼び出し、好きな時に話を聞き、好きな時に言葉を交わし、知恵を出し合えばいい。喧嘩別れをしたら許そうと思ったその時に会いに行け。逢いに行く理由はそれだけでいい。きっと、そうなのだ。化物語シリーズも終盤に差し掛かっている。神原駿河の「人と人が会うのに理由なんているか。何故みんなそうやって人と出会うことを拒むんだ!」という台詞を聞いた時、懐かしい感覚が戻った気がした。…昔に戻りたいと思う事が愚かだとは思わない。人間が想像し得ることは実現可能だそうだ。想像どころか経験をした事ができないわけが無い。戻れないなんて嘘だよ。その時その瞬間に戻す事は出来ないし他人を帰ることが出来なくとも自分自身を過去の自身に似せることは出来る。あの頃より経験を得て知識を身につけた私はそれではないけれど、それに近いなにかになれるはず。
もしこの願いが間違いだったと思う時が来ても、今の私に罪はない。お疲れ様、今日の私。