2017.1.21

Twitterに書こうか迷ったのだが、長文になりそうなので此方に。
実は昨日からキノの旅を見ている。少し前にリアタイでチラッと見て興味はあったので見たいアニメリストに入っていたので空き時間に一二話見ていたのだ。

結果は正直一話見てそこそこ沼りました。
何がいいってキノ!!勿論エルメスの声もだけど何よりキノが格好良すぎた…!否、可愛いんだが!最初はショタを絵に書いたような子だなぁと感じたがストーリーが進むにつれ違和感を感じて調べてみたら女の子でしたオチは流石に……萌え要素しかない。胸はペッタンだし背も低いし、何より一人称が僕でさっぱりした性格だからかなり男の子に見えた。
殺す時の目つきだとかそう言うのは凄く渚君味があって好きなんだけど、ギャップはそんなにない。結構普通。普通に銃殺して、普通に殴って、普通に嘘ついて、普通に笑う。
普通。とは言えキノに出てくる話は一つ一つの国の話になってるのだけれどその国によって思想や抱える過去や特徴や求めるもの。色んなものがあって素敵でした。

※アニメは二期から見てます。ネタバレ注意

その中の話の一つに奴隷の話がある。
孤児だった娘は”どんな時でも人を信じなければならない”という戒律の宗教国家の教会で育てられたが、その国は物を売りに来た商人から買ったものの代金が足りず、教祖に「この子はよく働きますので召使にでもしてください」と召使として商人の元へ売られたのだ。
商人達はその娘を【奴隷】と呼んでこき使い、罵倒した。(以下奴隷表記)
そんな奴隷は売った国も、痛めつける男も、どちらもさぞかし憎いだろう言う男の質問に答えた。
「”どんな時でも人を憎んではいけません……”それが真理ですから……きっと、教祖様は……、私に広い世界を見てこいと命ぜられたのだと思います。もしくはこの方が私にとっていい運命が開けると。私は今、将来を試されているのだと思います。」



「……なあ奴隷。よく聞け。人間の世界は、どうしようもなく腐っている。他人を簡単に裏切って、傷つけて、時に殺す。そんな人でなしだけが生き残れる世界だ。」



「いいえ……世界は、素晴らしいと思います。人は、お互いを愛し合い、尊敬し合い生きていけると思います。いつの日かみんながそれに気づいて、そんな人だけの”美しい世界”が来ると思います
私は人を恨んだり憎んだり殺したりは、決して、決して、しません。それよりも自分が死ぬ方を選びます。その時に私は、私を殺す人の前で微笑みながら死んでいくでしょう。そうすれば、私を殺した人も、いつか分かるのです」

奴隷はその後、山菜を川で洗ってくる様にと命じられた。 そして食卓にその山菜が並んだ時気が付いたのだ。あの山菜は毒がある、と。
慌てて奴隷は止めようとしたが声が出なかった。否、出さなかった。奴隷は思ってしまったのだ「死んでしまえばいい」と。そんな自分が嫌で自分が殺したんだと自身を責め立て奴隷は自分もスープを飲み干そうとした。しかし、奴隷のスープは首領の息子がイタズラに投げた石によって全て零れてしまったからだ。

奴隷は皆が死んで自分だけが生き残った事に絶望していると喋るモトラド(二輪車)と出会う。

そしてそのモトラドに問うのだ。
「ねえ、教えて。どうやったら私は死ねるの?」

モトラドは答えた。

「簡単さ!生きればいい。生き物は生きれば、いつかは死ぬ」

「そっか……、生きなきゃ、いけないのか……。分かるまで…」

「そうさ、生きればそのうち人生は終わる。終われば死ねるのさ」


私はこの回でこの会話が一番好きなのだ。
私は死とは常に自分の後ろを歩いて回る何かなのだと思い込んでいた。だから振り向いて少しそれに触れるだけで何時だって私達は此の世から消えるのだと。
でもそれは酷く都合の良い勘違いだったんじゃないかと、思った。

死が終わり、ではなく終われば死ねるのだ。それが、私を凄く楽にした。

正解だとか不正解だとかではなく、楽に思えるからそれを信じて生きていこうと思う。
私も、死ぬまで生きればいい。

…きっとパニックが起きたらそれも考えられなくなるんだろうけど、落ち着いたらまたこのブログを見よう。